卒FIT後は売る?貯める?損得計算機(東京電力エリア)
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結論
- 卒FIT後の買取は東京電力で8.5円、買う電気は約40円です。1kWh貯めて夜に使うと、充放電のロスを1割見ても約28円の差が出ます。
- 初期値(月の余剰200kWh、実効容量6.5kWh、満充電20日)では、貯めた方が月3,643円、年4万3千円ほど得をする計算です。
- 差を大きく左右するのは、蓄電池の容量よりも「月に何日満充電して使い切れるか」です。
この記事を書いた人
神奈川県在住、共働き・子ども3人の二世帯住宅で、太陽光発電と蓄電池を載せて暮らしています。
この計算機は、卒FITのお知らせが届いた家が「蓄電池を足すべきか、このまま売るか」を判断できるように作りました。初期値には東京電力の公表している買取単価と料金単価を使っています。蓄電池の購入費は入れていないので、元が取れるかは蓄電池の実質負担額シミュレーターとあわせて見てください。
卒FIT後「売る vs 貯める」計算機
卒FIT後「売る vs 貯める」計算機
全部売った場合(月)-
貯めて使った場合(月)-
貯めた方が得する額(月)-
同じく1年に直すと-
結果は目安です。季節で余剰電力量は大きく変わります。蓄電池の購入費は入れていません(回収年数は蓄電池のシミュレーターで)。
使い方
- 月の余剰電力量:検針票やお知らせにある「売電量」です。季節で変わるので、春と冬など何か月か入れてみてください。
- 買取単価:卒FIT後の買取先の単価です。売電先を変える予定があれば、その単価に(売電先の比較)。
- 買う電気の単価:夜に買っている電気の単価です。時間帯別プランなら夜の単価に再エネ賦課金を足した値にします。
- 蓄電池の実効容量:カタログの容量ではなく、実際に使える容量です。仕様書の「実効容量」を入れます。
- 充放電の効率:貯めて取り出すまでに失われない割合です。仕様書の値に置き換えてください。
- 発電しない時間に使う電気:夕方から朝までに家で使う量です。これより多くは蓄電池から使えません。
- 満充電できる日数:晴れて蓄電池がいっぱいになる日数です。
初期値の根拠
| 項目 | 初期値 | 根拠 |
|---|---|---|
| 買取単価 | 8.5円/kWh | 東京電力の再エネ買取標準プラン(税込) |
| 買う電気の単価 | 40.58円/kWh | 東京電力スタンダードSの36.40円+再エネ賦課金4.18円 |
| 余剰電力量・容量・効率・使用量・日数 | 200kWh・6.5kWh・90%・8kWh・20日 | 計算のための仮の数字 |
仮の数字は、家ごとに大きく違います。特に効率と実効容量は、検討している蓄電池の仕様書の値を入れてください。
計算の中身
- 1か月に蓄電池へ入れられる量 = 余剰電力量と「実効容量×満充電の日数」の小さい方
- 家で使える量 = 入れた量×効率(ただし、発電しない時間の使用量×日数が上限)
- 貯めて使った場合 = 使えた量×買う電気の単価+貯めずに売った分×買取単価
- 全部売った場合 = 余剰電力量×買取単価
1kWhあたりの差は「買う単価×効率−買取単価」で決まります。
| 組み合わせ | 1kWhあたりの差(効率90%) |
|---|---|
| スタンダードS(40.58円)で8.5円で売る | 約28.0円 |
| スタンダードS(40.58円)で10.5円で売る | 約26.0円 |
| スマートライフSの夜(27.86円+4.18円)で8.5円で売る | 約20.3円 |
夜の単価が安いプランほど、貯めて使う得は小さくなります。
季節や条件でどう変わるか
初期値から1つだけ条件を変えた結果です。
| 条件 | 貯めた方が得する額(月) | 年に直すと |
|---|---|---|
| 初期値 | 3,643円 | 約4万3,700円 |
| 夏で余剰400kWh | 3,643円 | 約4万3,700円 |
| 冬で余剰80kWh | 2,242円 | 約2万6,900円 |
| 買取を10.5円にする | 3,383円 | 約4万600円 |
| 夜の単価32.04円のプラン | 2,644円 | 約3万1,700円 |
| 実効容量を10kWhにする | 4,982円 | 約5万9,800円 |
| 満充電を28日にする | 5,100円 | 約6万1,200円 |
夏に余剰が倍になっても、蓄電池がいっぱいになれば、それ以上は貯められません。余った分は結局売ることになります。差を伸ばすのは、容量を増やすか、満充電して使い切る日を増やすことです。
蓄電池なしで「貯める」に近いことをする方法
東京電力の再エネおあずかりプランは、月4,000円(税込)で、余った電気を月250kWhまで「預けた」とみなし、使った電気の電力量料金単価相当で買い取るプランです。250kWhを超えた分は8.5円で買い取られます。
初期値の条件で考えると、月200kWhを30円前後の単価で評価してもらえるなら、4,000円を引いても蓄電池なしで月数百円から1,000円台の得になる計算です。ただし、余剰が少ない冬は月4,000円が重くなります。クレジットカード払いと、指定の電気料金プランへの加入が条件です。
計算の限界
- 年間の平均ではない:入力は1か月分です。季節ごとに何パターンか入れて足すと、年間の目安に近づきます。
- 蓄電池の劣化を入れていない:使える容量は年々減ります。
- 待機電力を入れていない:蓄電池やパワコン自体も電気を使います。
- 蓄電池の購入費は別:この計算機は「蓄電池がある前提での差」です。買うかどうかは、購入費と比べて判断してください。
正直なデメリット
- 年4万円台の差は、蓄電池の価格(神奈川県の共同購入の落札価格で7.4kWhが約153万円)と比べると小さい額です。差額だけで蓄電池の元を取るのは時間がかかります。
- 時間帯別プランで夜の電気が安い家は、差がさらに小さくなります。
- 「売る」の方は手間がかかりません。売電先を高い単価の会社に変えるだけで、年数千円は上がります。
次の一歩
- 過去1年の売電量を、月ごとに確認する
- 春・夏・冬の3パターンをこの計算機に入れて、年間の差を出す
- 蓄電池を買う前提なら、蓄電池の実質負担額シミュレーターで回収年数を確かめる